天然の巻貝2種。左がコーネリアン、
右がサードニクス。
『カメオ』とは、浮き彫りの技法のことを言います。素材は様々。
メノウ(アゲート)やアイボリー(象牙)、ターコイズ(トルコ石)、コーラル(珊瑚)、シェル(代表的なものはサードニクスやコーネリアン)などがあります。
シェルカメオの生産地としてはナポリ近郊の海辺の町「トーレ・デ・グレコ」がよく知られており、全世界で流通するシェルカメオのほとんどがここで生産されています。
シェルカメオに使われる貝は、2色のコントラストを持つ天然の巻貝で、大きなものだと30~40cmにもなります。
貝によってはカーブや突起が異なるため、各アーティストは素材を見ながらイマジネーションを働かせ、作品のモチーフを決め、この様な素晴らしい作品となり【RYU・RAND・CAMEO~リュウ・ブランド・カメオ~】が誕生します。
ヨーロッパの美術館や博物館などを訪れると、神話や古典絵画をモチーフに宝石や貝に優雅で美しい彫刻を施したカメオに出会うことができます。
その歴史は古く、古代エジプト文明にまで遡るともいわれ、ルネサンス期を経て他の芸術とともに大きく開花しました。
19世紀初頭、ナポレオンはイタリア遠征を終えて、戦利品として多くのカメオを持ち帰りコレクションするだけでなく、妻にも装身具として身につけることを奨励しました。
やがて男性の装身具であったカメオは、女性を美しく飾るジュエリーとして広く浸透していきました。
大英帝国に即位したヴィクトリア女王も、カメオに魅了され、こよなく愛した女性で、多くのカメオのコレクションを残しています。
カメオはヴィクトリア時代の多くの女性の羨望の的となり、最高のジュエリーとして、やがてその黄金期を迎え数々の芸術品を生み出してきました。
そして現在、イタリア南部の小さな港町、トーレ・デル・グレコ(シェルカメオの聖地)と、ドイツのイーダー・オーバーシュタイン(ストーンカメオの聖地)、このふたつの地から永い伝統に培われたカメオ芸術が世界に送り出されています。
ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠